試作品の品質
高品質とは、「寸法精度内で仕上げることが出来る。」ということになりますが、試作の場合、立派な測定機を揃えているからといって、高品質のものが作れるわけではありません。
測定機は、あくまで加工後の確認をするものであって、高品質自体は、会社の製作スタッフが作り出すものです。重要なのは製作スタッフの高品質への考え方、取り組む姿勢です。
量産品は、よほどのミスがない限り「完成=正解」が確証されたものづくりです。これは、一度完成した商品をリピート生産するからですが、試作の場合、毎日違う製品を作り続けていますので、ひと加工、ひと曲げごとに確認作業が必要になります。
工程図
板金試作の加工方法は、プレス加工とは違い一つ一つの加工を手作業で進め、最終的に完成品となります。
加工のおおよその加工の流れは下記となります。
このように、完成までには、さまざまな工程を経由します。
各工程内では、それぞれの機械は使用するものの、そこに手作業と人間の判断が加わる為、加工会社によって品質が大きく異なります。
量産品との違い
特にブレーキプレスによる曲げ加工は、品質において人間の判断によるウェイトが大きく、 作業者によって曲げる順番や使用金型が変わる場合もあり、個人の技量による品質のレベル差が生まれます。
同じ板金でも量産品を製作している場合、一度製作した商品は、次回も同じ機械、同じ金型、同じ曲げ順で製作することで、不良を防ぎ品質を安定させることができますが、試作の場合、日々新規品を製作しておりますので一品一品の品質を安定させることが困難なのです。
しかも!
更に下記のような厳しい条件の中、製作を進める必要があります。
1. ほとんどの案件が短納期なので、即座に製作方法を決定し製作を進めないと納期に間に合わない。
2. 数量が少ない場合が多いので、短時間に製作を完成させないと利益が出ない。
3. 失敗をすると納期にも間に合わず利益も出ない。